ワンチームとして、最適化された Salesforce 新統合環境を構築

ダイキン工業さまは既にSalesforceを導入されていましたが、ベンダーに任せて既存環境を過剰にカスタマイズしてしまい、スピード感の低下と運用費の増加、自社管理が難しいなどの課題が発生し、リプレイスを計画されました。アクトビは要件定義から参画し、現環境から移行対象となる機能の整理、設計、検証、リリースまでを一気通貫で対応。新統合環境の運用フェーズにも携わり、新しい要望や課題の解決、日々発生する運用業務のサポートを実施しました。

SCOPE
要件定義設計実装運用
OUTPUT
SalesforceSales CloudExperience Cloud
DIVISION
Business Intelligence Partner
UNIT
Salesforce Unit

ダイキン工業株式会社

サービス本部 事業戦略グループ
高木 奈央 様
テクノロジー・イノベーションセンター データ活用推進グループ チームマネージャー
桑山 忠弘 様

株式会社アクトビ

Salesforce Unit / Business Intelligence Partner
小池 誠
抱えていた課題
部門ごとの分散運用とベンダー依存によって複数の課題が発生していた
ダイキン工業さまでは部門ごとにSalesforceを導入し、それぞれ異なるベンダーに依頼してカスタマイズを行っていました。当時の状況についてダイキン工業の桑山氏と高木氏に振り返っていただきました。
高木氏
当初は部門ごとに個別でSalesforceを導入し運用しており、複数の基盤が存在していました。そのため、部門間でのデータ共有が十分に行われていない状況でした。また、依頼していたベンダーに依存する形となっており、いわゆる「ベンダーロック」の状態に陥っていました。 その結果、弊社としても依頼内容に対する進捗状況や必要工数が明確に把握できず、要件定義の段階で想定していたものと異なる成果物が出てくることがありました。そのため、追加の調整ややり取りが増えてしまう問題が発生していました。
桑山氏
さらに、カスタマイズの方法や運用についてもベンダー任せにしてしまった部分があり、軽微なシステム変更ですら非常に手間がかかる状況になっていました。
高木氏
私たちはシステムの専門家ではないため、「システムのあるべき姿」が分からず、修正依頼の内容をそのまま作成していただいた結果、最終的にシステムが複雑化してしまうこともありました。
アクトビを選んだ決め手
“技術力と伴走支援”への信頼
数あるパートナー企業の中からアクトビを選んでいただきました。その決め手となったのは「アクトビの技術力や品質に期待ができたこと」だったと桑山氏は話します。
桑山氏
抱えていた課題を解決し、より効果的にSalesforceを活用していくために、社内でもチームを編成し、メンバーをアサインして一つのプロジェクトとして進める体制を整えました。そして、私たちと共にチームとして伴走支援してくれるようなパートナー企業を探していました。 アクトビさんのことはSalesforce社からの紹介で知りました。営業担当の方ではなく、アーキテクトというシステムの全体設計を担当する専門家からの紹介であったため、技術力や品質が期待できると感じ、信頼して依頼を決めました。
アクトビのアプローチ
スピードと長期視点を意識したサポート
ご支援する際に感じていたことや、意識しているポイントについて、Salesforce Unit / Engineering Managerの小池は次のように振り返ります。
小池
アクトビはメインベンダーとして要件定義から参画させていただき、既存環境から移行する機能の整理、要件定義、設計、検証、リリースまでを一気通貫でご支援しています。また、新統合環境の運用フェーズやExperience Cloudを用いたシステム開発にも携わっています。 その中で私たちが一番大切にしているのは「スピード感」です。1週間に1回のリリースサイクルを回しており、アクトビで作業を進めた後、ダイキン工業さまでも確認の時間をしっかり確保することで、その段階で齟齬や課題に気づけるよう工夫しています。疑問や不明点が発生した場合には電話で密なコミュニケーションを取るなど、リアルタイムで解決することを意識しています。 また、既存環境はダイキン工業さまでの社内管理が難しいシステムになっていたため、統合環境はプログラム開発を最小限に抑え、お客様自身で運用しやすい環境をゴールに提案・実装を行いました。
高木氏
現在の進め方においては、スピード感を保ちながらお互いの進捗状況を密にやり取りできている点が非常に助かっています。そのため、どのフェーズで作業が止まっているのかが明確になり、自分たちがこのフェーズを終わらせれば次のフェーズに進めるという意識を共有できています。今の関わり方は非常にありがたいと感じています。 また、私たちから発生する要望に対して、単にそのまま対応するのではなく、他のアプローチや目的達成のための選択肢を提案していただける点も非常に助かっています。このおかげで、私たちの選択肢が広がるだけでなく、ユーザーにとっても目先の課題解決に留まらず、長期的な視点での最適解を提供していただけるのが、日々のやり取りを通じて感じています。
桑山氏
アクトビさんは業務背景や業務フローまでしっかりと踏み込んで確認してくださり、非常に助かっています。また、こちらから伝えきれなかった部分についても丁寧に確認していただけるため、抜け漏れを防ぐことができています。 私たちだけで変更要望を考えると、日々の業務に慣れすぎて当たり前に感じてしまう部分を伝え漏らしてしまうことがあります。しかし、アクトビさんが業務全体や周辺の状況まで広く・深く確認してくださるおかげで、後から発生しがちな認識齟齬が減少したと感じています。このようなきめ細やかな確認が、プロジェクトのスムーズな進行に大いに役立っています。
効果/成果
適切な運用体制が整い、システムの定着率が向上
約8か月で要件定義から設計、実装、検証、リリースまでを一気通貫で対応し、既存環境を統合した新統合環境の立ち上げをご支援させていただきました。今の時点でアクトビをどのように評価していただいているのでしょうか?
桑山氏
分散されていたSalesforceを一つに統合したことで、システムの社内認知度が格段に向上しました。この基盤を軸に関連システムとの連携も進んでいます。運用についてはまだ道半ばではありますが、システムを使用するほど新しい改善案が出てくると思うので、現在トライアル運用を通じて課題を洗い出し改善を重ねています。
高木氏
また、新統合環境は運用定着率も大幅に向上しました。以前は数か月間ログインされないケースも多々ありましたが、現在では日々の業務で必要不可欠な存在となっています。
桑山氏
アクトビさんの現在の伴走支援体制は、単なる設計や実装にとどまらず、要件の背景にある課題をしっかりと把握した上で対応していただける点が特に優れていると感じています。業務全体や周辺状況まで広く確認していただけることで、後から発生しがちな認識齟齬も減少しました。
小池
今後はさらに他部門のシステムが合流する予定もあります。品質や運用面を考慮し、スピード重視から品質重視の進行にシフトし、その時の状況に合わせた柔軟な対応を心がけていきます。

(インタビュー記事の内容は2024年12月時点のものです)