広く運用されていた運動能力測定サービス「DigSports」を、より手軽で楽しい体験にリニューアル

イベントや学校などで行われていた、センサーやAIを使った運動能力測定サービスDigSportsをWebの技術に置き換え、ブラッシュアップを行いました。ただWebに置き換えるだけでなく、「運用負担減」「体験をもっと楽しくする」をコンセプトに制作を行いました。

SCOPE
デザインAPI・フロントエンド開発
OUTPUT
firebase functions(API)hosting(フロントエンド)デザインデータイラストデータ
DIVISION
System, Design Partner
UNIT
Experience UnitDevelopment Unit

株式会社電通総研

XI本部 スマートソサエティセンター ソリューション開発部 主任
飯田 倫崇 様

株式会社アクトビ

Development Unit / Engineering Manager
大野 拓実
抱えていた課題
運用負担が大きく、心理的ハードルが高いという課題があった
電通総研さまはスポーツ分野の社会課題にアプローチする運動能力測定サービス「DigSports」を開発し、ユーザーに広く運用されていました。リニューアルに至った経緯をDigSportsプロダクトマネージャーの飯田氏に振り返っていただきました。
飯田
DigSportsはAI、画像認識などの技術を使用して体力測定を行い、その結果をもとに一人一人に向いているスポーツを提案するシステムです。近年、スポーツに苦手意識を持つ子どもが増えており、また働く世代も運動が疎遠になっている現状です。これらの人たちに運動を好きになるきっかけや、運動の習慣化を後押しするためのソリューションとして販売や展開を行っています。 旧バージョンはインストール型アプリで、専用機材を多く使用しており、運用時には技術者のサポートが必要だったり、複数台のパソコンを使用しなければならなかったりと、運用負荷や機材設定の心理的ハードルが高いという課題がありました。 そんな中、専用機材の一つである深度センサー付きカメラの終売が決定してしまい、今後の運用を検討することになりました。その結果、これまでの課題であった運用負担を解決し、技術者のサポートがなくてもお客様自身で運用できるような、より使いやすいものにリニューアルすることになり、DigSports新バージョンのプロジェクトが始まりました。
アクトビを選んだ決め手
社内メンバーからの推薦
数多くある開発会社の中からアクトビを選んでいただいた理由は「社内メンバーの推薦」だったと飯田氏は話します。
飯田
運用負担の軽減以外にも、デザインも新しいものにしたいと考えていました。旧バージョンの開発当初はターゲットを子どもに設定していたのですが、実際に展開してみると大人にもニーズがあることが分かりました。デザインが少し子ども向けだったので、大人も楽しめるようなものにしたいと思っていました。 そのため開発だけでなくデザインも可能なことや、既存プロジェクトがあるので、実装レベルで紐解きながら一緒に開発を進めてくれるような、システムの知見と技術力がある開発パートナー企業を探していました。 いろいろな開発会社さまと相談している時に、上長から「アクトビさんが良いよ」と紹介してもらいました。紹介してくれた上長もプロダクト開発をアクトビさんと一緒に進めていたので、お願いすることにしました。
アクトビのアプローチ
デザインとテクノロジーで「より手軽で楽しい体験」を実現
実際に開発を行う中で感じていたことや、意識していたポイントについて、Development Unit / Engineering Managerの大野は次のように振り返ります。
大野
デザインの刷新から、開発においてはフロントエンドとバックエンドもあわせてご支援させていただきました。ご要望である「運用負担の軽減」「より楽しい体験」を念頭に置き、バージョンアップで改悪になってしまわないように意識しました。 既存アプリで使用していた深度センサー付きカメラは、コントローラーを用いずに体の動きやジェスチャーなどでコンピュータ操作が可能なシステムで実装されていました。この仕組みをWebの技術に置き換えることで、負担をかけずに運用できる様に既存アプリの仕様のトレースからスタートしました。 測定ロジックや採点ロジックをWebの技術に置き換えつつ、大人から子どもまで楽しめる様にUX/UIにゲーミフィケーション要素(ゲーム感覚で行え、利用者を楽しませる要素)を追加しました。キャラクターやアニメーション、操作性を一新し、ジェスチャーによる操作なども加えることで楽しい体験を実現しました。 3か月で既存の機能をトレースしたWeb版アプリ(α版)を開発しリリース。その後α版のアニメーションや操作性などのUX/UIを刷新したアプリを開発し、イベントなどでご利用いただきました。
飯田
デザイン・開発まで一貫して伴走していただきましたが、「依頼してただ作ってもらう」のではなく共に創ることができたと感じています。 プロジェクト開始時に問題が発生しそうな部分は先にお互いで洗い出し、解決してからスタートしたので、特に大きな問題もなく進めることができました。電通総研のデザインチームがプロジェクトに入ってデザイン部分をチェックしたり、DigSportsのビジネスにおいても、これまでの在り方から今後どうしていくかといった部分まで一緒に取り組むことができて楽しかったし、良いものができたと思います。
大野
私たちもリニューアルに関わらせていただき、一緒の目的に向かって意見を交わしながら進めることができてとても楽しかったです。
効果/成果
高い満足度と、より運動を好きになるきっかけに
新バージョンのリリース後、様々な自治体やイベントにてさらに広く利用されているDigSports。利用者さまや取引先の方々の評価はいかがでしょうか?
飯田
新旧どちらのバージョンも知っている方々から「新バージョンは手間がなく使えて楽になりましたね」といった声をいただきました。 運用面以外にデザインもゲーム感が増して、見るからに楽しそうなものになったと思います。アクトビさんに依頼する前に抱えていた課題の一つである「子ども向け過ぎるデザイン」も改善され、世代を超えて楽しみやすいUX/UIになりました。 今回のリニューアルで狙っていた理想の形を実現できたと実感していて、アクトビさんには私たちの意見を柔軟に受け止め、意を汲んでいただいてすごく感謝しています。 今後はDigSportsを実際の運動する部活動につなげたり、何かリアルな体験と掛け合わせるなど、もっとスポーツ分野に貢献できるような取り組みを行っていきたいと考えています。

(インタビュー記事の内容は2024年5月時点のものです)